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「神々の指紋」 から 「アンダーワールド」 へ (3) 手法に関するエッセイ グラハム・ハンコック ジグソー・パズル "失われた大陸" 「アンダーワールド」全研究の基礎をなす単純かつ新しいアイデアは、地質学では既に数十年もの間良く知られた事実から派生している。17,000年前から7,000年前までの10,000年を超える期間であった氷河期の終わり−即ち文明が始まったと考えられているすぐ前−当時地上で最も居住に適した2千5百万平方キロメートルの土地が氷冠の融解で上昇した海面によって浸水した。その大きさは、南アメリカ(1千7百万平方キロメートル)と合衆国(9百6十万平方キロメートル)を足した面積にほぼ匹敵する。それはカナダの約3倍の大きさであり、中国とヨーロッパを合わせたよりずっと大きなエリアである。そしてこの地域はこれまでいかなる考古学もなされたことのないエリアでもある。文明の起源と考える時期の直前に我々の祖先が住んだそれほど広い場所が全く調査されていないというのに考古学が文明の起源の話を正しく得ていると、どうして確信できようか? 我々は、氷河期終了間際の世界が、今とは大きく違っていたことを思い起こす必要がある。今日の居住の中心である北半球の広大な拡がりは、当時は厚さ3キロメートルの氷冠に埋まり、月の表面の如くほとんど居住に適さない場所だったのだ。我々の祖先は−多くは肥沃な河川デルタと海の資源に近い低地の海岸エリアに−移住することを強制されたのだ。彼らは、逃げてきたはずの氷冠が融け海面レベルを400フィート(120メートル)以上も上昇させ、避難した低地に洪水を起こすことを予期できなかったのではないだろうか。 結果は、探索という挑戦を自身に課した水深400フィートまでの海面下であちこちにちらばるジグソー・パズル"失われた大陸"。歴史の始まる前に繁栄していたかもしれない…より早い文明の証拠を、誰もしないので私が探索し続けている。 それは全くドンキホーテ、一見すると絶望的な探索である。海は地表の70パーセントを覆い、しかもごく最近の1997年には長さ1000マイル高さほぼ10000フィートもの水没した山脈が太平洋の底で発見されたばかりなのだ。今日のハイテクノロジー時代まで水面下にある山脈という大きな物が察知されずにいたということは、明らかに浸水した都市や記念碑などのはるかに小さな目標物の発見は易しくない。原地図の作成でも、現在金星表面のほうが我々自身の惑星の8千8百万平方マイルの海底より良い地図を持っているということは、科学での優先順位の不合理性の一例といえる。 しかし、探索範囲は狭められた。ダーラム大学地質学科のグレン・ミルン博士の許しを得て、私は彼と同僚が作成した氷河融解期間中のいかなる海岸線をもシミュレートできる最高級のコンピュータ浸水地図を使うことが出来た。私は、早期の農業や文明の中心と考えられている場所の隣接地を含む2千5百万平方キロメートルの広大な土地が、この期間の海面の上昇で飲み込まれたことを知ることができた: ・ マルタ、世界最古と考えられる自立寺院のある場所、は今日まさに地中海の小さな島に過ぎない。しかし氷河時代の終わりまで、それは長さ60マイルにおよぶ陸橋でシシリーと結合されていた。 ・ さらにペルシャ湾の肥沃なデルタ地帯は約12,000年前までは乾いた土地であり、そこにはチグリスとユーフラテスが結合した広大な流れが作られ走り抜けていた。湾の南域は約8,000年前までは全てが浸水してはいなかった。 ・ インド周辺では−その多くは北西部と南東部で−100万平方マイルが失われた。 ・ 中国東部の1000マイル幅の沿岸は、遠く北の韓国まで浸水した。 ・ さらに南では、スンダ島と呼ばれる氷河時代の大陸は、約10,000年前までマレー半島をインドネシアとフィリピンに結び付けていた。 ・ 大西洋の西側では、フロリダと大バハマバンクは7000年前までは−それは最初の農業の跡が本土中央アメリカに出現し始めたのと同じ頃であるが−十分露出していた。 さらに探索地域を狭めるのに役立ったのは、氷河期の終わりに大規模な洪水をこうむったと科学的に証明された地域に伝わる古代からの民族洪水神話である。 そして熱心なスキューバダイバーである私は、仲間のダイバーが水面下の奇妙あるいは異常な構造を報告した全てのサイトを調査することができた。 過去5年以上にわたって私は、世界各地のあらゆる場所で自らの肉体的危険を冒しながら数百回のダイビングを行い、始めは確かな証拠とされたものが、結局何でもないと気付くだけであった。私がダイブしたサイトのいくつかはあまりに新しく、他のいくつかは全く人造物でなく−正に不可思議な自然構成であった−のでこれらのサイトを除外したのだった。後ろ盾となる海洋研究所のようなリソースはなく、ダイブ計画では単なる探偵として行動するだけであったが、素晴らしいことには確立された前史モデルでは説明できない沢山の純粋でミステリアスな海中遺跡を地中海、インド洋、太平洋で探索し、「アンダーワールド」で説明し、イギリス・チャネル4テレビのシリーズ番組として放映できた。これら全ては氷河期の終わりの8,000年から12,000年前には水の上にあり、すべては知られている当時のどの文明によってもその期間に作られたとしては大きすぎ、複雑すぎるのである。 それぞれのケースにはその地域の巨大洪水の伝説があり、さらに大変しばしば付近には沈んだ廃墟があるという神話の特別な参照事項もある。それぞれの地域の漁師はしばしば−引っかかった魚網を解放するために海中に飛び込むので−それらの廃墟を知っている。場所によっては、海面レベルがずっと低かった氷河時代に当時の人が調べたと考えられる現在は水面が大変上昇している領域を示す(ルネッサンス時代にさらに古い原地図からコピーされた)古代の地図がある。例えば1500年代初期に描かれたポルトガルの地図は、氷河時代を終わらせた3つの大きな雪解け水パルスうちの最初のものの直前の、14,000年前頃に調べられたインド北西沿岸を示しており、それは1500年代に見ることは出来ないのだ。そのような「幽霊島」は、古代の大西洋、地中海、そして太平洋の地図から突然頭をだしたもので、そこには全て説明のつかない水面下の廃墟が見つかっている。これらの並みはずれた古代地図のミステリーやそれらが文明という話に対して意味するものは、「アンダーワールド」の第5章で探究されている。 2002年1月、インド北西沿岸沖での海底都市発見のニュースが世界中のニュースヘッドラインとなった。インド国立海洋技術研究所により発見された2つの都市は、それぞれ約10マイル平方の広さでカンベイ湾の深さ120フィートの場所にあり、このエリアは6900年前までは完全に陸上にあって莫大で肥沃な谷を形成していた。そして海面が再度上昇しカンベイ湾は水没したのだ。 従って、海面レベルデータだけでも、高い壁、大量の幾何学的な建物、そしてダムなどの莫大な工事が含まれるこれらの神秘的な沈んだ都市は、7000年以上は古いものであるといえる。さらなる古さを示唆するものとして約2000におよぶ人工物がこれらのサイトから回収されている。最近インドの2か所の研究所で別々にテストされた結果、これら人工物の放射性炭素年代は、8500年前から9500年前の範囲を示した。 それは、これまで考古学者によって認められた高度な都市を建設したどの文化より4000年以上も古く、もちろんそのような大きな都市は、一夜ではカンバイ湾の底で成長しない。技術的理由により、炭素年代測定は、このサイトの上部層から回収された人工物だけである。いったん適切なボーリングが沈んだ都市のより深い層までなされたら、年代はずっと古いものになると予想される。 もしそれらがそのように古いものであったら、カンベイ湾にある都市は結局私が捜し求めていた聖杯−神話が伝える大洪水によって破壊された氷河時代の失われた文明ということになる。ある意味私は、これ以上自分の事例を証明する必要などないのだ。 <続く>
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