プーンプハールのU字型造形物の調査
マイケル スミス

プーンプハールのU字型

昨年の調査遠征以来、(マハーバリプラムでの発見にも関わらず)プーンプハールのU型異常造形物に関する質問が絶えない。その都度「僕達が描いた地図が間もなく手に入るから、そうしたらもっと詳しい話ができます」と決まって言ってきた。さて、一年近く経ってようやくその地図が手に入った(下記の図参照)。約束通り、この前の調査について説明を加える時が来たようだ。

その前に、プーンプハールの歴史をちょっと見てみる。

歴史


「神々の世界」を読んでいない方や the expeditions website(英文)をそれ程読んでない方に、異常造形物についての興味深い事実を二、三、紹介しよう。場所は、今日プーンプハールと呼ばれている小さな漁村の沖合い約5km、水深23mの海底(今は亡き私のダイブ・コンピューターによる)にあり、海底の沈泥物から約1m突き出ている。


古代に於いてプーンプハールは、チョーラ朝の港湾都市であり、プハールとはまさに「入り江」や「海の河口」を意味する。当時の文学作品にも言及が多く、町の詳細の記載は紀元前2世紀の北インドで使われたブラフミ文字にまで遡る。カリカラ・チョーラン(Karikala Cholan)の支配下でプーンプハールは大都市となり、ティルベンガドゥの文字はその後のチョーラ朝のインドラを祭る大祭で話題となった。


(西暦)6世紀のカラブラスの後、プーンプハールはパラバネスワラム寺院を建立したパラバに支配された。その後都市は衰退し、西暦約850年にチョーラ朝が隆盛して、昔の栄華をいくらか取り戻すこととなった。


現在のプーンプハールは、時の流れの記念碑という意味合いが他の何より色濃い。一時は荘厳だった寺院が、現代のコンクリートで再建され、体裁を保っているが、容赦無く大海に飲み込まれたオリジナルの残骸は、沖合い数百メートルの海底に横たわっている。一度は栄華を極めた大都市の名残は、わずかばかりの大きな建物と、まばらに散らばる漁村だけである。


プーンプハールはシラパシカラムのタミル叙事詩に出てくる中心地のひとつでもある。この作品は機会があったら是非読むべき、素晴らしい話だ。

U字型

さて、歴史の講義にお付き合い頂いたところで、私の見る人工物説についての賛否両論は下記の通り。

肯定

  1. 異常構造物には、角度を持ったいくつかの屈曲があり、それが鋭く、輪郭がはっきりしている(地図上では大きなものしか見えない)。
  2. 異常構造物を内側の城壁として、それを囲む「第2の城壁」が2箇所に見られる。自然構造物で屈曲のある物でも、外側に壁のある例は見た事がない。

否定

  1. 目的や論理的意味を持つ形ではない。
  2. 構造物は一箇所に固まっており、他の物から離れて単独で建てられた物はない。
  3. 自然に角度のつく場合もある。北アイルランドの「ジャイアンツ コーズウェイ」がその例だ。下の写真は昨年私が「ジャイアンツ コーズウェイ」を訪れた時の物だ。

他の注目事項

  • この構造物を除けば、海底は平らで特徴がない。
  • 海底には分厚い沈殿があり、付近にもっと小さな物があるかどうか確定するのは、現在不可能。
  • 視界不良(私が最近潜った採石場ほどではないが)のため、鳥瞰(魚眼と言うべきかな?)的全景を捉えられない。
  • 異常構造物は、現在はサンゴ礁と化している。調査の際はこれを考慮するべきであり、サンゴや周辺のエコシステムに損傷を加えないようにしなければならない。(たいていのダイバーは自然保護主義者。この項目を見たら、判ってもらえるかな?)
  • 角度を持つはっきりした輪郭ではあるが、正確にはU字型ではない。
        

  • 私の記録ノートにある下の絵はマハバリプラムで描いた物だ。
            

まとめ

決定的な事実は無いと判っているが、直接関わった私や他のダイバー達は、圧倒的に人工物という意見だった。しかし白黒はっきりさせるには明確な証拠が必要であり、それは現時点ではまだ見つかっていない。NIOチームのメンバー達は、公式には自然構造物という意見を通しており、さらなる調査が必要とも言っている。しかし調査最終日の夜(打ち上げの夜)、あるメンバーが私に本音を漏らした。「マイク、僕は個人的にはいずれ人工物と判明するだろうと思ってるんだ。でも確実な証拠を手に入れるまで、そんな事を言うリスクは負えないからね。」

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